【役立つ解決策】マンションの樹木が邪魔と感じたらどうする？

「うちのマンションの樹木、大きくなりすぎて邪魔なんだよな、、、」と感じていませんか？

日当たりやプライバシー、虫や落葉など、樹木に関する悩みは尽きないもの。しかし、勝手に伐採すると法律違反になる可能性も。

マンションの樹木トラブルを回避し、快適な住環境を手に入れるためのヒントが満載です。

マンションの樹木でどんな困りごとがある？

マンションの樹木は、適切に管理されていれば景観を豊かにし、住環境を向上させる役割を果たします。

しかし、管理が行き届いていなかったり、樹木の種類や植栽場所によっては、居住者に様々なトラブルやストレスを与える可能性も孕んでいます。

ここでは、マンションの樹木が原因で起こる可能性のある代表的な困りごとについて詳しく解説していきます。

日当たりが悪くなる

マンションの近くに大きな木があると、太陽の光を遮り、部屋の中が暗くなってしまうことがあります。

特に、南側に高い木がある場合は、日照時間が大幅に減少し、日中でも照明が必要になる可能性があります。

日当たりが悪くなることによる影響

• 健康面への影響： 日照不足は、体内時計のリズムを乱し、睡眠障害や自律神経の不調を引き起こす可能性があります。また、ビタミンDの生成が不足し、骨の健康を損なうリスクも高まります。出典：満尾クリニック「朝日を浴びよう！」
• 精神面への影響： 日当たりの悪い部屋に住み続けると、気分が落ち込みやすくなったり、うつ病のリスクが高まる可能性も指摘されています。出典：ひだまり心クリニック「季節性のうつ病について」
• 光熱費の増加： 日中の照明の使用が増えるため、電気代の増加につながります。また、冬場は暖房効率も悪くなるため、ガス代や灯油代もかさむ可能性があります。

部屋の中が見えづらくなる

マンションの樹木が、窓の近くにある場合、外から部屋の中が見えにくくなることがあります。

これは、プライバシー保護の観点からはメリットと言えるかもしれませんが、場合によっては、防犯上の不安を感じることもあるでしょう。

部屋の中が見えづらくなることによる影響

• 防犯上のリスク： 樹木が茂っていると、外部からの人目に隠れやすくなるため、空き巣などの犯罪の標的になりやすくなる可能性があります。また、死角が増えることで、不審者の侵入に気づきにくくなることも考えられます。
• 圧迫感： 窓の外に大きな木があると、圧迫感を感じることがあります。特に、高層階でない場合は、空が見えにくくなることで、閉塞感を感じやすくなる可能性があります。

虫の発生源になる

樹木は、様々な虫の住処や餌場となります。そのため、マンションの近くに樹木があると、部屋の中に虫が侵入してくる可能性が高まります。

特に、夏場は、蚊やハエ、ゴキブリ、毛虫など、様々な種類の虫が発生しやすいため注意が必要です。

虫の発生による影響

• 衛生面への影響： 虫の中には、食中毒の原因となる菌やウイルスを媒介するものもいます。また、ダニやノミなどのように、アレルギー症状を引き起こす虫もいます。そのため、虫の発生は、健康面へのリスクも高めます。
• 精神的なストレス： 虫が苦手な人にとって、虫の発生は大きなストレスとなります。特に、睡眠中に虫の音に悩まされたり、虫刺されに苦しめられる場合は、睡眠不足や精神的な疲労の原因となる可能性があります。

落葉がひどい

落葉樹の場合、季節によっては大量の落ち葉が発生します。落ち葉は、ベランダや共用部分に散乱し、美観を損ねるだけでなく、掃除の手間も増えます。

また、排水溝に詰まって水はけが悪くなったり、虫の発生源になることもあります。

落葉による影響

• 美観の損失： 大量の落ち葉は、マンションの景観を損ないます。特に、エントランスや共用部分に落ち葉が散乱していると、マンション全体の印象が悪くなってしまう可能性があります。
• 清掃の手間： 落ち葉の清掃は、居住者にとって大きな負担となります。特に、高齢者や体の不自由な人にとっては、落ち葉の掃除は容易ではありません。
• 排水不良： 落ち葉が排水溝に詰まると、雨水が流れなくなり、水たまりができることがあります。水たまりは、蚊などの発生源となるだけでなく、悪臭の原因となる可能性もあります。

その他

上記以外にも、樹木の種類や生育状況によっては、以下のような問題が発生する可能性があります。

問題	内容
根の張りによる被害	樹木の根が、建物の基礎部分に侵入し、ひび割れや傾斜などの被害を与えることがあります。また、排水管を破損させることもあります。
花粉アレルギー	スギやヒノキなどの花粉症の原因となる樹木は、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。
鳥獣被害	樹木に巣を作る鳥や、樹木の実を食べる動物によって、騒音や糞尿の被害が発生することがあります。
倒木の危険性	台風や強風などによって、樹木が倒れてしまう危険性があります。特に、老木や病気の樹木は、倒木の危険性が高いため注意が必要です。

マンションの樹木は、適切に管理されていれば、快適な住環境を提供する貴重な存在となります。

しかし、管理が行き届いていない場合は、様々なトラブルの原因となる可能性があります。

居住者は、日頃から樹木の状態に気を配り、問題があれば管理会社や管理組合に相談するなど、早めに対処することが大切です。

勝手に伐採してはいけない理由

マンションの樹木を勝手に伐採してしまうと、様々な問題に発展する可能性があります。

「自分の家の前だから」「邪魔だから」といった安易な気持ちで伐採してしまうことは絶対に避けましょう。 具体的には、以下のようなリスクが考えられます。

法律違反になる可能性

樹木は法律で保護されている場合があります。

• 景観法：都市計画区域やその周辺地域において、良好な景観を形成するために定められた法律です。 高さや本数などの一定の基準を満たす樹木は「景観重要樹木」に指定され、伐採や剪定には許可が必要になります。 無許可で伐採した場合、罰金が科せられる可能性があります。 国土交通省：景観法について
• 都市緑地法：都市公園や緑地などを保全し、緑豊かな都市環境を形成することを目的とした法律です。 都市計画区域内における一定規模以上の緑地は「緑地保全地区」に指定され、原則として樹木の伐採が禁止されています。 違反した場合、罰金が科せられる可能性があります。 国土交通省：都市公園・緑地のまちづくり
• 民法：マンションの敷地内に植えられている樹木は、たとえ自分の部屋の前であっても、所有権はマンションの所有者全員に帰属します。 勝手に伐採してしまうと、他の区分所有者に対する所有権侵害とみなされ、損害賠償請求をされる可能性があります。 e-Gov法令検索：民法

マンションの資産価値を下げる可能性

樹木はマンションの資産価値に影響を与える要素の一つです。 緑豊かで美しい景観は、マンションのイメージアップに繋がり、資産価値の向上に繋がります。

逆に、無計画に樹木を伐採してしまうと、景観が損なわれ、資産価値が下がる可能性があります。 また、将来的にマンションを売却する際、買い手が見つかりにくくなる可能性も考えられます。

トラブルに発展する可能性

マンションの樹木に関するトラブルは、居住者間で発生することが少なくありません。 例えば、勝手に伐採したことが原因で、他の居住者とトラブルになる可能性があります。

また、伐採によって日当たりや風通しが変わるため、近隣住民から苦情が出る可能性もあります。 このようなトラブルを避けるためにも、勝手に伐採することは避けましょう。

マンションの樹木問題、誰に相談すればいい？

マンションの樹木問題は、放置しておくと近隣トラブルに発展する可能性もあります。トラブルを避けるためにも、早めに行動を起こし、適切な対処をすることが大切です。

そのためには、まずは誰に相談すればいいのかを知っておきましょう。

相談先1：管理会社

マンションの管理を委託している管理会社がある場合は、まずは管理会社に相談してみましょう。

管理会社は、マンションの維持管理や住民間のトラブル対応などを行う専門家です。樹木問題についても、これまでの事例や適切な対処法などを知っています。

• 連絡先：マンションの管理に関する書類や掲示板、ウェブサイトなどに記載されていることが多いでしょう。わからなければ、マンションの管理人や清掃員に尋ねてみましょう。
• 相談内容：樹木の種類、高さ、生育状況、発生している問題などを具体的に伝えましょう。写真や動画があると、より状況を伝えやすくなります。

相談先2：管理組合

管理会社に相談しても解決しない場合や、管理会社がない場合は、マンションの管理組合に相談しましょう。

管理組合は、マンションの区分所有者で構成される団体であり、マンションの管理に関する重要事項を決定する権限を持っています。

樹木問題についても、管理組合で話し合い、合意形成を図りながら解決していく必要があります。

• 連絡先：マンションの管理組合の連絡先は、マンションの管理規約や総会議案書などに記載されているはずです。入手できない場合は、他の住民に確認してみましょう。
• 相談内容：管理会社に相談する場合と同様に、具体的な問題点や要望を伝えましょう。他の住民からも同様の意見が出ているかを確認するのも良いでしょう。管理組合として、専門家（造園業者や弁護士など）に相談することも検討してみましょう。

相談先3：お住まいの地域の相談窓口

管理会社や管理組合に相談しても解決が難しい場合や、個人での相談が難しい場合は、お住まいの地域の相談窓口を利用してみましょう。

各自治体では、住宅に関する相談窓口を設けている場合があります。専門の相談員が、問題解決に向けたアドバイスや関係機関への紹介などを行っています。

相談窓口	内容
市区町村役所の住宅相談窓口	住宅に関する様々な相談に対応しています。樹木問題が近隣トラブルに発展している場合は、その旨も伝えて相談してみましょう。
都道府県の弁護士会	法律的な観点から、樹木問題の解決策をアドバイスしてくれるでしょう。弁護士に相談する場合は、費用が発生することがあります。

これらの相談窓口以外にも、国民生活センターや消費生活センターなども参考になる情報を提供しています。

どの窓口に相談すれば良いか迷う場合は、まずはお住まいの地域の相談窓口に問い合わせてみましょう。

窓口では、相談内容に応じて適切な相談先を案内してくれます。

相談する際は、客観的な事実を伝えるように心がけましょう

感情的に訴えるのではなく、問題点や要望を具体的に伝えることが重要です。証拠となる写真や動画、記録などを用意しておくと、よりスムーズに相談を進めることができます。

状況別で考える対処法

マンションの樹木問題でよくある困りごと別に、具体的な対処法を見ていきましょう。

日当たりが悪い場合

剪定を依頼する

マンションの樹木は、管理組合または管理会社に相談し、適切な剪定を依頼するのが一般的です。樹木の成長は早く、定期的な剪定が必要となるケースも多いです。

剪定費用は、マンションの管理費からまかなわれる場合と、別途費用を負担する必要がある場合があります。
管理規約や管理会社に確認しましょう。

高木の場合、専門業者に依頼する必要があるため費用が高額になる傾向があります。剪定方法や時期についても、専門家の意見を参考にしながら進めるようにしましょう。

剪定を行うことで、日当たりが改善され、部屋の中が明るくなるだけでなく、風通しが良くなり、カビの発生を抑える効果も期待できます。

部屋の環境を変える

樹木の剪定が難しい場合や、すぐに解決できない場合は、部屋の環境を変えることで日当たりが悪いのをカバーする方法もあります。

例えば、

• 明るい色のカーテンに取り替える
• レースカーテンを二重にする
• 照明を明るくする
• 鏡を設置して光を反射させる

などの工夫をすることで、部屋を明るく感じられるようにしましょう。また、家具の配置を変えることでも、部屋の印象は大きく変わります。

窓際に背の高い家具を置くと、圧迫感が出てしまうため、低い家具を選ぶようにするのがポイントです。

プライバシーが気になる場合

剪定を依頼する

日当たりが悪い場合と同様に、プライバシーが気になる場合も、まずは管理組合または管理会社に相談し、剪定を依頼しましょう。

特に、

• 寝室や浴室の窓際
• ベランダの近く

など、プライベートな空間の近くに樹木がある場合は、剪定を検討する必要があります。

剪定の際には、どの程度枝を切るか、どの部分を重点的に剪定するかなど、具体的に要望を伝えましょう。

窓ガラスに目隠しシートを貼る

剪定だけでは十分な効果が得られない場合や、すぐに対応できない場合は、窓ガラスに目隠しシートを貼るのも有効です。

目隠しシートには、

• すりガラス調
• ミラー調
• 柄入り

など、様々な種類があります。部屋の雰囲気や好みに合わせて選びましょう。

目隠しシートは、比較的安価で手軽にプライバシーを守ることができる方法として人気です。

賃貸マンションの場合、退去時に原状回復義務が発生する可能性があります。目隠しシートを貼る前に、管理規約を確認するか、管理会社に相談するようにしましょう。

虫が気になる場合

剪定を依頼する

樹木は、害虫の発生源となることがあります。窓の近くに樹木があると、そこから虫が部屋の中に入ってくる可能性が高くなります。

特に、

• 夏場
• 梅雨時期

は虫が発生しやすいため、注意が必要です。虫の発生を抑えるためには、定期的な剪定が効果的です。

剪定を行うことで、樹木に太陽光が当たりやすくなり、風通しも良くなるため、虫が寄り付きにくくなります。

虫よけグッズを設置する

剪定を依頼するだけでなく、虫よけグッズを設置するのも効果的です。

虫よけグッズには、

• 虫よけスプレー
• 虫よけネット
• 虫よけランプ

など、様々な種類があります。虫の種類や発生状況に合わせて、適切なものを選びましょう。

虫よけグッズは、ホームセンターやドラッグストアなどで購入できます。

落葉が気になる場合

こまめな清掃

落葉が気になる場合は、こまめな清掃が重要です。

特に、

• 風向き
• 樹木の種類

によっては、大量の落葉が発生することがあります。

落葉を放置すると、

• 景観を損ねる
• 排水溝が詰まる
• 害虫の発生源となる

などの問題につながる可能性があります。こまめに清掃することで、これらの問題を予防することができます。

落ち葉を防ぐネットを設置する

落葉の量が多い場合は、落ち葉を防ぐネットを設置するのも効果的です。

落ち葉を防ぐネットは、ベランダの手すりやフェンスに取り付けることで、落葉がベランダや庭に落ちるのを防ぎます。


ネットの素材は、ポリエチレンやナイロンなど、通気性の良いものを選びましょう。

価格は、サイズや素材によって異なりますが、1,000円程度から購入できます。ホームセンターやインターネット通販で購入可能です。


落ち葉を防ぐネットを設置する際は、安全に配慮して作業を行うようにしましょう。

樹木問題を未然に防ぐには？

マンションの樹木問題は、実際に住んでみてから気づくケースも多いもの。後々のトラブルを避けるためにも、事前に対策しておくことが重要です。

マンション選びの段階で確認すべきポイント

マンション購入を検討する際は、将来的な樹木問題を想定し、以下のポイントをチェックしておきましょう。

周辺環境の確認

• マンションの近くに大きな樹木があるか
• 隣接する土地に樹木が生い茂っているか
• 将来、周辺環境が変化する可能性はあるか（例：空き地が開発される予定など）

これらの情報を事前に確認しておくことで、日当たりや風通し、プライバシーに関する問題をある程度予測することができます。

管理規約の確認

マンションの管理規約には、樹木の管理に関する規定が記載されているケースがあります。

• 樹木の剪定や伐採に関するルール
• 費用負担について
• 住民からの要望をどのように扱うか

事前に管理規約を確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
出典：三菱UFJ不動産販売「マンション標準管理規約」

管理会社への確認

マンションの管理会社に、樹木管理について直接問い合わせることも有効です。

• 定期的な剪定は行っているか
• 過去に樹木に関するトラブルはあったか
• 住民からの要望にはどのように対応しているか

管理会社の対応を見ることで、マンションの管理体制を把握することができます。

定期的な管理と住民間のコミュニケーションが大切

快適な住環境を維持するためには、定期的な樹木管理と住民間のコミュニケーションが不可欠です。

管理組合で定期的な点検・話し合いを

樹木の状態は日々変化していくもの。管理組合は定期的に樹木の点検を行い、必要に応じて剪定や伐採などの対応を検討しましょう。

また、住民に対して樹木管理に関するアンケートを実施するなど、意見交換の機会を設けることも大切です。

専門家の意見を参考に

樹木の管理については、専門家の意見を参考にすることも有効です。造園業者に相談することで、適切な剪定方法や時期、費用などを知ることができます。

専門家	メリット	相談内容例
造園業者	樹木の剪定や伐採、植栽などの専門知識や技術を持っている	適切な剪定方法や時期、費用など
樹木医	樹木の病気や害虫の診断、治療などを行う専門家	樹木の健康状態の診断、治療方法など

マンションの樹木問題は、住民同士のトラブルに発展する可能性もはらんでいます。

未然に問題を防ぐためにも、事前の情報収集や対策、そして住民間のコミュニケーションを大切にしていきましょう。

まとめ

マンションの樹木は、日当たりやプライバシー、虫や落葉など、居住者にとって様々な問題を引き起こす可能性があります。

しかし、勝手に伐採すると法律違反になる可能性やトラブルに発展する可能性があるため、注意が必要です。

樹木に関する問題が生じた場合は、まずは管理会社や管理組合に相談してみましょう。

状況に応じて、剪定を依頼したり、窓ガラスに目隠しシートを貼ったり、虫よけグッズを設置するなどの対処法があります。

また、マンション選びの際には、周辺の樹木についても確認しておくと良いでしょう。

樹木は適切に管理することで、快適な住環境を維持することができます。日頃から管理組合や専門業者と連携し、定期的な剪定や清掃を行うように心がけましょう。