【初心者向け】天然芝生の育て方!基本の管理方法と手入れカレンダー
この記事を監修した人
中村 佳和(Yoshikazu Nakamura)
芝生管理の名人
高校卒業後、建築関係の会社に就職するも一年で会社が倒産。その後、「外の仕事を続けたい」と考え、偶然見つけた造園業の求人に応募。
最初は興味が薄かったものの、仕事を通じて造園の奥深さに魅了される。12年間勤めた後、独立を決意。
特に大手アパレルブランドのプライベート球場で培った芝生管理の経験があり、その技術と知識で多くのお客様から信頼を得ている。
この記事を監修した人
中村 佳和
芝生管理の名人
高校卒業後、建築関係の会社に就職するも一年で会社が倒産。その後、「外の仕事を続けたい」と考え、偶然見つけた造園業の求人に応募。
最初は興味が薄かったものの、仕事を通じて造園の奥深さに魅了される。12年間勤めた後、独立を決意。
特に大手アパレルブランドのプライベート球場で培った芝生管理の経験があり、その技術と知識で多くのお客様から信頼を得ている。
天然芝生って憧れるけど、難しそう…
と感じていませんか?
この記事では、天然芝生の育て方を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
芝生の種類ごとの特徴や、季節に合わせたお手入れ方法まで、これを読めばあなたも今日から美しい緑の絨毯を手に入れるための第一歩を踏み出せます。
憧れのマイホームの庭を、緑いっぱいの芝生で飾りませんか?
天然芝生を育てるメリット・デメリット
美しい緑の芝生は、庭を持つ人にとって憧れですよね。でも、天然芝にするか人工芝にするか、迷うことも多いと思います。それぞれに良い点と気をつける点があります。
そこで、まずは天然芝のメリットとデメリットをしっかり知って、自分に合った選び方を考えてみましょう。
天然芝生のメリット
天然芝生には、人工芝では得られない魅力がたくさんあります。ここでは、5つのメリットについて詳しく解説します。
心地よい肌触り
天然芝生は、人工芝に比べて柔らかく、素足で歩くととても心地よいです。裸足で歩いてもチクチクせず、子どもやペットにも安心です。
夏場でも、人工芝のように熱くなりすぎることがなく、快適に過ごすことができます。
調湿効果・断熱効果
天然芝生は、地面の温度上昇を抑え、周囲の気温を下げる効果があります。夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるため、省エネにも繋がります。
また、湿度を調整する効果もあり、住環境をより快適にしてくれます。
集中力を高める効果
天然芝生の緑色は、目に優しく、リラックス効果や集中力を高める効果があると言われています。心身のリフレッシュ効果も期待できるでしょう。
周りの景色に自然になじむ
天然の芝生は、鮮やかな緑色が特長で、庭や周りの景色と自然に溶け合います。
人工物とは違い、四季の移り変わりに合わせて色合いが変わるので、季節ごとの変化を楽しむことができます。
庭に自然な雰囲気を作り出し、見ているだけでリラックスできる安らぎの空間を作ります。
環境へのやさしさ
天然の芝生は、二酸化炭素を吸って酸素を出してくれるので、地球温暖化を防ぐ助けになります。
また、土が雨で流れ出るのを防いだり、水をきれいにする働きもあります。環境にやさしい庭づくりにぴったりです。
天然芝生のデメリット
多くのメリットがある天然芝生ですが、一方で、維持管理に手間がかかるというデメリットもあります。天然芝生を検討する際には、これらのデメリットも考慮する必要があります。
手入れには時間と手間がかかる
天然の芝生は、定期的な芝刈りや水やり、雑草取り、肥料をあげるなど、いろいろなお手入れが必要です。
特に夏は頻繁に芝刈りや水をやらないといけないので、忙しい人にはちょっと大変かもしれません。
でも、最近では自動で水をまく機械やロボットの芝刈り機など、便利な道具もたくさんあります。
そういった道具を使うと、手間を減らせるのでおすすめです。
費用がかかる
天然の芝生を育てるには、肥料や芝生の種、専用の道具などが必要で、それぞれに費用がかかります。
また、自動で水をまく機械やロボットの芝刈り機を買うと、最初にかなりの費用がかかることもあります。
虫や病気の心配がある
天然の芝生には、虫がついたり、病気になったりすることがあります。これを放っておくと、芝生が枯れてしまうこともあるので、早めに手を打つことが大切です。
定期的なチェックや予防策をとることで、健康な芝生を保つことができます。
環境によっては生育が難しい
天然の芝生を育てるには、日当たりや水はけ、土の状態など、適した環境が必要です。
日があまり当たらなかったり、水がたまりやすい場所では、芝生が元気に育たなかったり、枯れてしまうこともあります。
また、芝生の種類によっても育てやすい環境が違うので、事前にしっかり確認することが大切です。
天然芝生の種類
きれいな緑の芝生を育てるには、まず自分の庭に合った芝生の種類を選ぶことが大事です。
芝生の種類によって、暑さや寒さに強いかどうか、病気に強いか、手入れが簡単かどうかが変わります。
芝生には大きく分けて、日本芝と西洋芝の2つの種類があります。
日本芝
日本芝の特徴
日本芝は、日本の暑くて湿った気候に合った芝生です。夏の暑さや病気に強く、丈夫なところが特長です。
また、人がよく歩く公園や運動場にも向いていて、踏圧にも比較的強いです。葉の色は薄めで、硬いのが特徴ですが、冬になると葉が枯れて褐色になります。
日本芝の種類
日本芝には、ノシバ、コウライシバ、ヒメコウライシバなど、さまざまな種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
ノシバ | 日本芝の中でも特に丈夫な品種で、暑さや寒さ、日陰にも強い芝生です。葉っぱは太めで、濃い緑色をしていて、きれいな芝生ができます。ただ、成長がゆっくりなので、芝生が広がるまでには少し時間がかかります。 |
コウライシバ | ノシバよりも葉が細かく、ぎっしりとした芝生を作ることができます。暑さや寒さにも強く、公園やゴルフ場など、いろいろな場所で使われています。成長が早いので、芝生が完成するまでの時間が短いのもメリットです。 |
ヒメコウライシバ | コウライシバよりもさらに葉が細かく、繊細で美しい芝生を作ることができます。ただ、きれいな芝生を保つには、こまめなお手入れが欠かせません。主にゴルフ場のグリーンなどで使われています。 |
西洋芝
西洋芝の特徴
西洋芝は、日本芝よりも葉が柔らかく、繊細で美しい見た目が特徴です。
鮮やかな緑色がきれいで、最近人気が出てきています。ただし、暑さや湿気に弱いので、夏の手入れには注意が必要です。
踏まれると弱くなるため、人があまり歩かない場所に向いています。また、西洋芝は冬でも緑色を保つ種類が多いです。
西洋芝の種類
西洋芝は、大きく分けて、寒地型と暖地型の2つのタイプに分けられます。
寒地型西洋芝
寒地型西洋芝は、涼しい気候を好み、冬でも枯れることなく緑色のままです。代表的な種類には、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクなどがあります。
代表的な種類には、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクなどがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
ケンタッキーブルーグラス | 濃い緑色で、葉が細かくきれいな芝生が作れます。葉が密集しているため、高級感のある見た目になります。寒さには強いですが、暑くて湿気の多い日本の夏には弱いので、夏場の手入れには注意が必要です。 |
ペレニアルライグラス | 成長が早く、芝生ができるまでの時間が短いのが特徴です。色は他の芝生よりも少し薄めで、黄緑色に近い見た目です。踏まれても強いので、運動場などにもよく使われています。 |
トールフェスク | 暑さや寒さ、日陰にも強く、いろいろな環境に適応できる芝生です。葉は少し粗めですが、丈夫でお手入れがしやすいのが特徴です。 |
暖地型西洋芝
暖地型西洋芝は、日本の暑くて湿った気候にも比較的合いやすい芝生です。冬でも緑のままでいることができます。
代表的な種類には、ノシバとコウライシバを掛け合わせたティフトンや、バミューダグラスがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
ティフトン | ノシバとコウライシバを掛け合わせた芝生で、両方の良い点を持っています。暑さや寒さ、病気に強いので、日本全国で育てられます。葉は細かく、密度の高い芝生を作ることができるのも特徴です。 |
バミューダグラス | 暑さにとても強く、日本の真夏でも青々とした状態を保てます。成長が早く、芝生が密に広がるため、雑草が生えにくくなる効果もあります。ただし、寒さには弱いので、冬には枯れてしまうことがあります。 |
このように、芝生の種類によって、それぞれ特長や合う環境が違います。芝生を選ぶときは、自分の家の環境や生活スタイルに合った種類を選ぶことが大事です。
【時期別】天然芝生の管理方法と手入れカレンダー
天然芝生は、季節によって育ち方が大きく変わります。きれいな緑を保つためには、季節に合わせたお手入れが大切です。
ここでは、春夏秋冬それぞれの時期に必要な管理方法やお手入れのポイントを詳しく説明します。
春の管理方法
春は芝生が最も成長する時期です。冬枯れから目覚めた芝生を健やかに育てるために、以下の作業を行いましょう。
芝刈り
暖かくなり始めると、芝生は一気に成長を始めます。
こまめな芝刈りが必要となりますが、一度に短く刈り過ぎると芝生を傷めてしまうため、芝生の高さの1/3程度を目安に刈り込みましょう。
目安としては、週に1回程度の芝刈りがちょうど良いペースです。
施肥
春は芝生に肥料をあげて成長を促すのにぴったりの時期です。芝生が元気に育ち始める前に、ゆっくり効くタイプの肥料を使うと良いでしょう。
肥料の種類は、芝生の種類や土の状態に合わせて選ぶことが大切です。
エアレーション
エアレーションは、芝生に小さな穴を開ける作業です。これによって、土の空気の通りや水はけが良くなり、芝生が元気に育ちます。
専用の道具やガーデンフォークを使って穴を開けることができます。特に土が固まりやすい場所では、定期的にエアレーションを行うと効果的です。
夏の管理方法
高温多湿な日本の夏は、芝生にとって厳しい環境です。水切れや病害虫の発生に注意が必要です。
水やり
夏場は、土壌が乾燥しやすいため、水やりが欠かせません。特に暑い日中は芝生が乾きやすいので、朝や夕方の涼しい時間にしっかり水をあげましょう。
ただし、水をあげすぎると根が腐ってしまうことがあるので、土の乾き具合を見て水やりの量を調整しましょう。
雑草対策
夏は雑草もたくさん生える時期なので、こまめに取り除くことが大切です。雑草は、芝生の成長を邪魔したり、病気や害虫の原因になることがあります。
手で抜いたり、芝生用の除草剤を使うなど、適した方法で対策をしましょう。
病害虫対策
暑くて湿気の多い環境では、芝生に病気や害虫が発生しやすくなります。
芝生の状態をよく観察し、病気や害虫を見つけたら、早めに対処することが大切です。問題に合わせた薬剤を使って、しっかり対策をしましょう。
病気 | 症状 | 対策 |
---|---|---|
サッチング | 芝生の根元に分解されていない有機物がたまると、水がたまりやすくなったり、空気の通りが悪くなったりする。 | サッチ分解剤を散布したり、サッチングマシンや熊手でサッチを取り除いたりする。 |
ブラウンパッチ | 高温多湿の時期に発生し、円形に茶色く枯れたようになる。 | 殺菌剤を散布し、水はけを改善する。 |
ピシウム病 | 高温多湿の時期に発生し、葉が水浸状になり、白~ピンク色のカビが生える。 | 殺菌剤を散布し、水はけを改善する。 |
害虫 | 症状 | 対策 |
---|---|---|
シバツトガ | 幼虫が芝生の葉や茎を食害し、枯れたような部分ができる。 | 殺虫剤を散布する。 |
コガネムシ類の幼虫 | 根を食害し、芝生が部分的に枯れる。 | 殺虫剤を散布する。 |
秋の管理方法
秋は、芝生の生育が緩やかになり、冬に備える時期です。
施肥
冬に備えて、秋には芝生の根を強くするために肥料をあげます。
この時期には、カリウムが多く含まれた肥料を使うことで、芝生の寒さに対する強さを高めることが期待できます。
オーバーシーディング
オーバーシーディングとは、今ある芝生の上に新しい種をまいて、芝生をより密にする作業です。秋はオーバーシーディングにぴったりの時期です。
これを行うことで、冬でも芝生が枯れにくくなり、春には美しい緑が復活します。
冬の管理方法
冬は、芝生の生育が休眠期に入ります。
冬支度
芝生が冬の準備をする前に、落ち葉やゴミをこまめに取り除きましょう。
これらがあると病気の原因になります。また、雪が多い地域では、芝生の上に雪囲いを設置して、雪の重みから守ると良いです。
以上が、時期別の天然芝生の管理方法と手入れカレンダーです。これらの作業をしっかり行えば、一年中きれいな緑の芝生を保つことができます。
よくある質問
芝生の種類について
芝生の管理について
芝生のトラブルシューティング
まとめ
美しい緑の芝生は、心を和ませ、庭に特別な空間を創り出します。 しかし、天然芝生は生き物。 季節に応じた適切な手入れをして、初めてその美しさを保つことができます。
本記事では、初心者の方にも分かりやすく、天然芝生の基本的な育て方から、季節ごとの管理方法まで解説しました。
この記事を参考にして、ぜひ一年を通して青々とした美しい芝生を育ててみて下さい。