庭木の剪定業者を選ぶ前に知っておくべき重要ポイントとは?
この記事を監修した人
出山 はじめ(Hajime Deyama)
お庭の専門家
造園業歴18年。2011年に造園業で独立して以来、庭のお手入れ、庭づくりに従事。
2019年に「くらしのマーケットアワード」剪定・造園部門で入賞。全国600以上の業者の中から8組に選ばれる。
2023年に「ワークゼン合同会社」を設立。現在はワークゼン合同会社の代表として、造園事業、植栽管理専門「ツリーステック(TreesTec)」の事業に携わる。
この記事を監修した人
出山 はじめ
お庭の専門家
造園業歴18年。2011年に造園業で独立して以来、庭のお手入れ、庭づくりに従事。
2019年に「くらしのマーケットアワード」剪定・造園部門で入賞。全国600以上の業者の中から8組に選ばれる。
2023年に「ワークゼン合同会社」を設立。現在はワークゼン合同会社の代表として、造園事業、植栽管理専門「ツリーステック(TreesTec)」の事業に携わる。
庭木の手入れを業者に頼みたいけど、どこを選べばいいのかわからない…
とお悩みではありませんか?
庭木の剪定は、庭の景観を保ち、植物の健康を維持するために欠かせない作業です。
しかし、業者選びを失敗してしまうと、高額な費用を請求されたり、仕上がりに満足できなかったりといったトラブルに繋がることも。
この記事では、失敗しない庭木剪定業者選びのポイントを、費用相場や剪定の最適な時期、トラブル事例と対策まで交えてわかりやすく解説します。
これを読めば、あなたの庭にぴったりの信頼できる業者を見つけることができます。
庭木剪定業者を選ぶ際に押さえておくべき基本事項
庭木剪定業者とは?依頼する前に知っておくべきこと
庭木剪定業者とは、庭木の手入れや剪定を専門に行う業者です。庭木の剪定は、美観を保つだけでなく、庭木の健康を維持するためにも重要です。
しかし、庭木の剪定は専門的な知識や技術が必要となるため、プロの庭木剪定業者に依頼することが一般的です。
庭木剪定業者には、個人経営の業者から大手の造園会社まで様々な規模の業者が存在します。
剪定の専門業者だけでなく、造園工事や植栽、害虫駆除なども合わせて行っている業者もあります。
剪定を依頼する前に、それぞれの業者の特徴やサービス内容を比較検討することが大切です。
プロの庭木剪定業者に依頼するメリットとは?
プロの庭木剪定業者に依頼するメリットは、以下のような点が挙げられます。
美しい仕上がりを実現
プロの庭木剪定業者は、庭木の特性や生育状況に合わせた適切な剪定技術を持っています。
そのため、自分で剪定を行うよりも、美しく整えられた仕上がりを期待することができます。
庭木の美しさを保ちたい方や、庭のデザインにこだわりたい方にとっては、プロへの依頼がおすすめです。
庭木の健康を維持
庭木の剪定は、見た目を美しくするだけでなく、庭木の健康を維持するためにも重要です。
プロの庭木剪定業者は、病気や害虫の発生を予防するための知識も豊富です。適切な剪定によって、庭木の生育を促進し、健康な状態を長く保つことができます。
時間と労力の節約
庭木の剪定は、想像以上に時間と労力がかかる作業です。特に、大きな庭木や高木になると、危険も伴います。
プロの庭木剪定業者に依頼することで、時間と労力を大幅に節約することができます。空いた時間を有効活用したい方や、体力的に自信がない方にもおすすめです。
安全性が高い
高木の剪定や、枝の処理など、庭木の剪定には危険が伴います。プロの庭木剪定業者は、安全に作業を行うための知識や技術、そして専用の道具を備えています。
高所の作業や、危険な枝の処理も安全に任せることができます。
項目 | 自分で剪定する場合 | プロに依頼する場合 |
---|---|---|
仕上がり | 技術や知識が必要なため、なかなか思い通りの仕上がりにならない | プロの技術により、美しく整えられた仕上がりを期待できる |
庭木の健康 | 知識不足により、庭木を傷つけてしまう可能性も | 庭木の生育状況に合わせた、適切な剪定で健康を維持 |
時間と労力 | 多くの時間と労力を要する | 時間と労力を大幅に節約できる |
安全性 | 高所作業や危険な枝の処理は、事故のリスクが高い | 安全に配慮した作業で、事故のリスクを軽減 |
このように、プロの庭木剪定業者に依頼することで、様々なメリットを得られます。庭木の状態や剪定の目的、予算などを考慮しながら、プロへの依頼を検討してみましょう。
信頼できる庭木剪定業者を選ぶための4つのチェックポイント
1. 評判をチェックする
インターネットの普及により、庭木剪定業者に関する情報収集が容易になりました。信頼できる業者を見つけるためには、実際に利用した方の評価や口コミを参考にしましょう。
例えば、Googleビジネスプロフィールや口コミサイトなどで業者名を検索すると、評価やコメントを確認できます。
ただし、口コミがすべてではないことを忘れないでください。口コミサイトに登録していない職人さんで、評価がないにもかかわらず、素晴らしい技術を持った方々は多く存在します。
現役の植木屋として、そういった優れた職人さんを何度も見てきました。ですので、口コミだけに頼らず、直接業者とコミュニケーションを取り、実際の仕事ぶりを確認することも重要です。
2. 資格より経験と人柄を確認
一般住宅の庭の手入れにおいて、私は、資格の有無はそれほど重要ではないと考えています。
もちろん、資格を持っていることはプラスですが、資格がなくても腕の良い職人さんは大勢存在します。
例えば、造園施工管理技士などのような資格が求められるのは、公的機関や大規模建設プロジェクトでの作業を請け負う場合です。
それ以上に重視されるのは現場での実務経験です。実際に庭の手入れを経験していることが信頼性を高めます。
また、現場での経験に加えて、お客様との円滑なコミュニケーション能力や親切で丁寧な対応も非常に重要です。
私がこれまで数多くの職人さんを見てきた経験から言うと、こうした人格的な要素と実務経験こそが、優れた庭師を判断する基準になると思います。
つまり、資格も確かに大切な要素ではありますが、一番大事なのは現場で培ったスキルと、人との関わり方です。
この二つが揃って初めて、本当に信頼される職人として認識されるのです。
3. 近くの庭木剪定業者を選ぶ
近くの庭木剪定業者を選ぶことは、多くのメリットがあります。
- 移動時間が短いため、迅速な対応が実現可能
- 移動コストも抑えられるため、全体的な費用が軽減されることが期待できる
- 地域特有の気候や庭木に対する知識が豊富なため、適切な時期と方法での剪定ができる
- 直接コミュニケーションが取りやすく、細かな要望や疑問もすぐに相談できる
- 地元業者を利用することで地域経済の支援にもつながる
このような理由から、地元の庭木剪定業者を選ぶことは非常に賢明な選択と言えるでしょう。
4. 剪定以外のサービス内容もチェックする
庭木剪定業者の中には、剪定だけでなく、伐採、草刈り、消毒、施肥、庭のリフォームなどを請け負ってくれる業者もいます。
必要なサービスをまとめて依頼することで、個別に依頼するよりも費用を抑えられる場合があります。
庭木剪定の費用を抑えるための効果的な方法
庭木剪定の費用相場とコストを抑えるポイント
庭木剪定の費用は、樹木の高さや本数、作業内容、剪定業者によって大きく異なります。
一般的に、庭木の高さ3メートルほどで3,000円〜5,000円(剪定作業費のみ場合)が相場とされていますが、特殊な剪定や伐採が必要な場合は、さらに費用がかかることがあります。
庭木剪定の費用を抑えるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
複数の業者から見積もりを取る
複数の業者に見積もりを依頼し、料金やサービス内容を比較することで、適正な価格で剪定を依頼することができます。
業者によって得意な剪定方法や料金設定が異なるため、複数の業者を比較することが重要です。
不要なサービスを断る
剪定業者によっては、剪定と一緒に、肥料や薬剤の散布、草刈りなどのサービスをセットで提案してくる場合があります。
これらのサービスが不要な場合は、はっきりと断るようにしましょう。ただし、庭木の剪定だけではなく、お庭全体をお手入れしたい場合はセットプランがお得な場合が多いです。
定期的な剪定を依頼する
庭木は、定期的に剪定を行うことで、健康な状態を保つことができます。
定期的な剪定は、庭木の生育を抑え、大規模な剪定が必要になることを防ぐため、結果的に費用を抑えることにつながります。
庭木の種類 | 高さの目安 | 剪定費用の相場(1本あたり) | ゴミ処分費の相場 |
---|---|---|---|
小型の庭木(低木) | 〜3メートル | 3,000円〜5,000円 | 2,000円〜 |
中型の庭木 | 3〜5メートル | 6,000円〜10,000円 | 3,000円〜 |
大型の庭木 | 5〜7メートル | 15,000円〜20,000円 | 5,000円〜 |
非常に大きな庭木 | 7メートル以上 | 25,000円〜 | 3,000円〜 |
生垣 | 高さ1メートルごと | 1,000円〜3,000円(1メートルあたり) | 3,000円〜 |
庭木剪定業者とのコミュニケーションの重要性
庭木剪定業者との効率的なやり取り5つのポイント
庭木の剪定は、見た目の美しさを保つだけでなく、樹木の健康を守るためにも欠かせない作業です。
それだけに、信頼できる業者との協力が欠かせません。ここでは、そのための5つのポイントをご紹介します。
まず最初に、業者への問い合わせの段階が成功へのスタートです。どのような手段で連絡を取るにせよ、以下のことを心がけましょう。
1. 希望する剪定内容を具体的に伝える
「小さく丸く剪定してほしい」「風通しを良くしてほしい」など、具体的なイメージを伝えることで、業者側も適切な提案がしやすくなります。写真などを用意するのも効果的です。
2. 庭木の状態や剪定の目的を伝える
「最近、木が弱っている」「日当たりが悪くなった」など、庭木の状態や剪定の目的を伝えることで、業者側も適切な剪定方法を判断することができます。
3. 予算や希望納期を伝える
業者に予算と希望納期を事前に伝えることは、計画立案をスムーズに進めるために非常に重要です。
ただし、提示する予算が市場価格とかけ離れている場合は、希望するサービスや条件を満たすのが難しい場合があるため、その点についても心得ておくべきです。
4. 庭木を見ながらイメージを共有する
実際に庭木を見ながら、剪定後のイメージを共有することが大切です。言葉だけでは伝わりにくい細かなニュアンスも、その場で伝えることで、認識の食い違いを防ぐことができます。
5. 質問しやすい雰囲気を作る
疑問点や不安な点は、遠慮なく質問しましょう。業者も、顧客の疑問に丁寧に答えることで、信頼関係を築くことができます。
庭木剪定に最適なタイミング
庭木剪定に適した季節とタイミングの見極め方
庭木剪定は、樹種やその年の気候条件によって適切な時期が異なります。適切な時期に剪定を行うことで、庭木の健全な生育を促し、美しい樹形を保つことができます。
ここでは、庭木剪定に適した季節とタイミングの見極め方について詳しく解説します。
落葉樹の剪定時期
落葉樹は、一般的に葉を落とした休眠期である11月から2月にかけて剪定を行うのが最適とされています。
この時期に剪定を行うことで、庭木への負担を最小限に抑えられます。
剪定する庭木の種類 | 剪定に適した時期 | 剪定時期の理由 |
---|---|---|
落葉樹 | 11月〜2月 | 葉を落とした休眠期に剪定を行うことで、樹木への負担を最小限に抑えられる |
ただし、サクラのように剪定後に切り口から病気が発生しやすい樹種は、落葉直後ではなく、12月~2月頃に剪定を行う方が安全です。
常緑樹の剪定時期
常緑樹は、落葉樹とは異なり、一年を通して葉をつけています。そのため、剪定時期は樹種によって異なりますが、一般的には成長期を避け、樹液の流れが穏やかな時期に行います。
以下は、「常緑樹の剪定時期」に基づいて作成した表です。
剪定する庭木の種類 | 剪定に適した時期 | 剪定時期の理由 |
---|---|---|
常緑樹 | 3月〜7月、9月〜10月 | 一年中葉をつけているため、樹液の流れが穏やかな時期に剪定することで樹木への負担を軽減する |
忙しいシーズンを避けて剪定を依頼する方法
庭木剪定業者に剪定を依頼する場合、繁忙期には予約が取りづらくなることがあります。繁忙期を避けて剪定を依頼するには、以下のポイントを押さえておきましょう。
庭木剪定業者の繁忙期
庭木剪定業者の繁忙期は、一般的に以下の通りです。
- 6月~8月:ぐんぐんと枝や葉が茂り始めてからお盆の時期まで、庭木の剪定を依頼する人が増えるため
- 10月~12月:冬(新しい年)を迎える前に、庭木の手入れを済ませておきたいという人が増えるため
これらの時期に剪定を依頼する場合には、早めに予約をしておくようにしましょう。
トラブル事例と対策
高額請求
高額請求トラブルの事例
- 作業前に見積もりを取っていなかったため、相場よりも大幅に高い金額を請求された。
- 見積書に記載のない追加料金を請求された。
- 剪定作業の内容が曖昧で、後から追加料金を上乗せされた。
高額請求トラブルへの対策
確認項目 | 詳細 |
---|---|
見積もりの内訳 | 剪定費用だけでなく、枝の処分費用や交通費など、内訳を細かく確認しましょう。 |
追加料金が発生するケース | 作業中に追加料金が発生する可能性がある場合は、事前にどのような場合に追加料金が発生するのか、その金額はいくらかを確認しましょう。 |
支払い方法と時期 | 支払い方法や支払いのタイミングについても、事前に確認しておきましょう。 |
剪定後のトラブル
剪定後のトラブル事例
- 依頼した剪定の形と異なっていた。
- 剪定作業によって庭木が弱ってしまった。
- 剪定した枝が隣家に入ってしまい、トラブルになった。
剪定後のトラブルへの対策
対策 | 詳細 |
---|---|
剪定のイメージの共有 | 言葉だけでは伝わりにくい剪定のイメージは、写真やイラストなどを用いて具体的に伝えましょう。 |
庭木の状態や剪定方法の確認 | 庭木の状態に合わせて適切な剪定方法があるため、剪定業者と事前にしっかりと相談しましょう。 |
作業後の確認 | 剪定作業が完了したら、自分の目で仕上がりを確認し、気になる点があればその場で伝えましょう。 |
庭木剪定業者を選ぶ際の最終チェック
植木屋さんとの契約前に確認すべき重要事項
契約を結ぶ前に、以下の重要事項を最終確認しましょう。トラブルを未然に防ぎ、安心して庭木剪定を依頼するために、これらのポイントはしっかりと確認することが重要です。
作業内容と費用の最終確認
- 剪定する樹木の種類、本数、高さ、剪定方法などを具体的に確認する
- 追加料金が発生するケース(高木剪定、特殊な剪定方法、大量の廃材処理など)を確認する
- 支払い方法や支払い時期を確認する
作業日程と時間
- 作業開始日と終了予定日を確認する
- 作業時間帯や騒音に関する配慮について確認する
- 雨天時の対応について確認する
キャンセルに関する規定
- キャンセル料が発生する場合は、その条件や金額を確認する
- 悪天候などによるキャンセルの場合の対応を確認する
その他
- 近隣住民への配慮について確認する
- 作業中の事故やトラブル発生時の対応を確認する
- 契約内容に不明点や疑問点があれば、解消してから契約を結ぶ
これらのチェックポイントを参考に、信頼できる庭木剪定業者を選び、大切な庭木を安心して任せられるようにしましょう。
まとめ
庭木剪定は、庭の景観を保つだけでなく、樹木の健康を維持するためにも重要な作業です。信頼できる業者を選ぶことは、美しい庭を長く楽しむために欠かせません。
業者選びの際には、費用や口コミだけでなく、実績、専門知識、コミュニケーション能力なども考慮することが大切です。
相見積もりを取り、疑問点を解消した上で、納得のいく業者を選びましょう。
剪定のタイミングや費用を抑える方法を理解しておくことも、満足のいく結果を得るために役立ちます。